透明アクリル加工に経験とノウハウあり

透明アクリル部品はおもに水質分析計のセル部や分析槽などの特殊加工部品として使われています。
透明度の高いアクリルの特徴を生かし 優れたバフ研磨技術により外面はもとより 内側、内面まで目視できる製品を提供します。
微細な穴加工も得意としており、微細ドリルにより0.3mm迄の、曲りの少ない穴加工技術を提供可能です。
可視化をすることで、内部構造の分析だけでなく、展示会モデルなどにも活用されています。

透明可視化のアクリル製品ギャラリー
透明アクリル加工可視化

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アクリル加工の基礎知識

アクリルの成分

アクリルは、メタクリル酸メチルのポリマー(重合体:モノマーが結合したもの)、もしくはアクリル酸エステルとのコポリマーとして知られる合成樹脂です。メタクリル酸メチル、アクリル酸エステルのどちらも、炭素、水素、酸素から成っています。酸素を除けば、アクリルはポリエチレンやポリスチレン、ポリプロピレンと同じ成分構成です。

メチルメタクリレート(MMA)モノマーに重合開始剤や熱を加えて重合させると、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)=メタクリル樹脂、すなわちアクリルを生成することができます。

アクリルの特長

アクリルは約93%の光透過率を持ち、ガラスよりも透明性に優れています。耐衝撃性も高く、一般的なガラスの10〜16倍の強度を誇ります。さらに耐候性や撥水性、防水性、電気絶縁性といった特性も持っているため、多岐にわたる用途での利用が可能です。加工性にも優れ、成形や切削など用途に合わせた加工法で多様な製品を作り出すことができます。アクリルは多くの特長を持つことから、「プラスチックの女王」とも称されています。

アクリル製品の用途

アクリルは用途が非常に広い素材です。まず、光学関連製品としてメガネのレンズやコンタクトレンズ、カメラの光学レンズが生産されています。液晶テレビや携帯電話の導光板、キーボードの照光式キートップといった電気・電子部品にもよく利用されます。また、アクリルはガラス代替製品としての用途も多い樹脂素材です。たとえば、風防ガラスや計器類のカバー、時計のカバー、水槽などに用いられています。耐水性や撥水性を活かして、浴槽や便器、洗面化粧台などの住宅設備にも利用されています。建築塗料や自動車の焼付塗料、コーティング剤にも活用可能です。ほかにも、歯科補填物や外科用セメント、看板、パーテーション、食品容器、航空機部品、透過可能な試作品、スケルトンモデルなど幅広い用途で利用されています。

アクリル切削の工程

ここでは、アクリル切削工程の一例を紹介します。

  1. デザイン設計・モデリング
    アクリル加工物の形状や要件に基づいて、製作方法を検討します。要件が決まっていない場合は、強度・性能を考慮しつつデザイン設計やモデリングを進めます。
  2. 材料の選定・準備
    適切なアクリル材料のサイズや種類を選定し、用意します。切削加工ではアクリル板を使用します。
  3. 切削機械の加工準備
    旋盤、フライス盤、マシニングセンターなどの切削機械にアクリル板をセットし、必要な工具や位置の設定をおこないます。
  4. 切削加工
    アクリル加工には透過性・透明性が求められる場合が多いですが、切削時の傷や凹凸が大きいと磨き工程で透明度を向上させるのが難しくなります。切削加工時点で高精度の作業が求められます。また、アクリルの熱変形を防ぐために切削油で冷却したり、切粉が絡まないように除去処理をしたりすることも重要です。
  5. 仕上げ・検査

アクリル切削後は、バリ取りやブラスト仕上げなどの仕上げ処理をおこないます。透明度を高めるために表面磨きやガス処理、薬品処理などが必要となる場合もあります。その後、品質を確保するための検査・検品が終われば完成です。

アクリルの切削条件

工作機械による加工では、切削速度や回転数、送り量、切り込み量といった切削条件が重要です。アクリル素材に適切な切削条件を設定しなければ、加工精度の低下や工具の早期摩耗など、さまざまなデメリットが発生するおそれがあります。

切削速度は1分間に切削する速さを指し、旋盤では周速度とも呼ばれます。切削速度を速めると加工精度の向上や加工時間の短縮につながりますが、刃物への負担も増大して工具交換のスパンも短くなるでしょう。回転数は旋盤の主軸やフライス盤における刃物の1分間の回転数を示すもので、切削速度と関連します。送り量とは刃物が1分間に進む距離のことです。一般的に送り量が大きくなるほど加工時間が短縮されますが、精度は低下しやすくなります。切り込み量は刃物が材料に切り込む深さを表し、深すぎると振動やビビリ現象が、浅すぎるとスリップやこすり現象が発生してしまいます。

アクリル切削においては、透明度をいかに出せるかが特に重視されるポイントです。栃木県産業技術センターの研究報告では、回転数がヘーズ(曇り度合い)の増加に最も影響を与えることが示されていて、5000回転以下であればヘーズへの影響を抑えられるとしています。また、同報告によると、切削条件の中でヘーズの影響が小さいのは切り込み量です。アクリルの透明性を維持しつつ効率性も高めたい場合には、切込み量を増やすのが有効な解決策になるかもしれません。

白根電機では独自の加工ノウハウを駆使し、アクリルの透明可視化製品の加工を行っています。アクリル製品の加工のことでしたらお気軽にご相談ください。