樹脂旋盤加工は技術者の腕の見せどころ

樹脂旋盤加工

樹脂フライス・マシニング系に比べ、旋盤加工は対応できる会社が少ないんです。旋盤加工は求められる技術が高く、また、樹脂になると温度変化も考慮しながら加工する必要があるためです。

白根電機では旋盤加工のスペシャリスト達が日々修練を積み、日々研鑽しております。

旋盤・フライス・溶接・曲げなど幅広い加工知識から最適な材料選定・仕様設計の相談に乗ることが可能です。

樹脂の旋盤加工品のご相談お待ちしております。

樹脂の切削加工は、試作品製作や小ロット生産、成形品の追加工などで利用されています。樹脂切削の方法はいくつかありますが、中でも樹脂旋盤加工は広く使われている方法のひとつです。

樹脂旋盤加工とは

樹脂旋盤加工とは、樹脂素材を旋盤で切削加工することです。旋盤は金属や木材のような樹脂以外の材料にも使用されますが、樹脂旋盤加工では樹脂の特性をよく考慮して作業を進めなければなりません。樹脂の種類によっては、専用の工具や熟練の技術が必要になることもあります。

樹脂の知識だけでなく、旋盤加工についても経験とスキルが求められます。素材に適した工具選定や条件設定ができなければ、高精度で美しく仕上げることは困難です。なお、加工目的によっては、旋盤加工ではなくフライス加工が採用されることもあります。

技術の差が出るポイント

樹脂は金属と比較すると柔らかく、切削時の熱によっても変形しやすい素材です。一般的には金属加工と同等の寸法精度を出すのは難しいとされています。設計どおりの加工をおこなうには、セッティングを細かく調整したり工程を工夫したりする必要があります。樹脂の種類によっては、工具を自作して対応しなければなりません。また、粘り気の強いナイロン系樹脂の場合は、切粉が工具に絡まないような処理が必要です。

樹脂切削

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樹脂旋盤加工

白根電機は樹脂旋盤加工に強み
自社設備にて加工してきた長年の経験とノウハウがあります。
樹脂旋盤加工品でお困りでしたらぜひ弊社にご相談ください。

旋盤加工の予備知識

旋盤とは、加工対象の素材(ワーク)を回転させながら、工具(バイト)で切削する工作機械のことです。ワークを回転させて切削する性質上、特に円形あるいは円筒形の加工に適しています。ここでは、旋盤の構成、工具、加工方法、種類といった旋盤加工についての基礎知識を説明します。

旋盤の工具

旋盤の工具は「バイト」と呼ばれ、刃先部分と胴体部分(シャンク)から成る構造です。構造的には、以下の3つに分類されます。

  • ムクバイト(完成バイト)
    刃先とシャンクが一体となっているバイトです。炭素工具鋼や超硬合金で作成されたものが多く、刃先が摩耗しても研磨すれば切れ味が戻ります。技術があれば刃先を自由に成形することができ、難しい加工にも対応可能です。
  • 付刃バイト(ロウ付けバイト)
    刃先をシャンクにロウ付けしたバイトで、購入後に刃先の成形が必要になります。一度の切削量を大きくしても、チッピングしにくいのが特長です。
  • スローアウェイバイト(クランプバイト)
    シャンクの先端に、チップという刃先を固定して使用するバイトです。刃先が摩耗した場合はチップを交換するだけで対応できるため、効率性やコストの面で優れています。

形状別で分けると、片刃バイトや剣バイト、突切りバイト、ねじ切りバイトといった種類があります。

旋盤の加工方法

旋盤の機能により多彩な加工が実現可能です。以下に、主要な加工方法を説明します。

  • 外丸削り(外径加工)
    ワークの外側を切削する基本的な加工法です。外側から工具を当てて円柱状に削っていきます。
  • 中ぐり加工(内径加工)
    内径用バイトを用いて、ドリルであけた穴を拡大する加工法です。切りくずの詰まりやバイトのたわみに注意して、切削作業をおこないます。
  • テーパー加工
    テーパーとは傾斜がついた形状のことで、円錐または円錐台を削り出す加工法をテーパー加工といいます。刃物台の角度を調整して、工具を斜めにスライドさせながら切削します。
  • 面削り
    ワークの端面を削る加工で、刃物台の角度調整が必要です。外周と中心部での回転速度が違うため、切削条件を変えて対応します。
  • ねじ切り加工
    ねじ切り専用のバイトを使って、ねじ山を作る加工法です。おねじとめねじの両方を加工することができます。
  • 突切り加工
    加工物の不要な部分を切り落とします。バイトの刃は細くて破損しやすいため、切削油の使用や適切な工具を使用するといった対策が必要です。

旋盤の種類

旋盤にはいくつかの種類があり、それぞれ形状や構造が異なります。これらの旋盤を用途に応じて使い分けます。

  • 汎用旋盤
    基本的な構造の旋盤ですが、補助工具を取り付けることで多岐にわたる加工に対応可能です。試作品や特注品などの少量生産時に使用されます。
  • NC旋盤
    数値制御装置(NC)を取り付けた旋盤です。3次元の座標軸を指定した自動加工をおこなえます。コンピュータで制御するタイプはCNC旋盤と呼ばれ、さらに高度な加工が可能です。
  • 卓上旋盤
    作業台上で使用できる小型の汎用旋盤で、小型の部品や金型の加工に適しています。
  • 立旋盤
    ワークを垂直方向に固定して加工します。重たい加工物でも中心がズレにくいため、大型製品の加工にも適しています。
  • 正面旋盤
    主軸が地面に対して平行に取り付けられた旋盤です。ワークを固定する面盤が大きいため、径が大きな製品に対応できます。
  • タレット旋盤
    複数の切削工具を持つ旋回式の刃物台(タレット)が搭載された旋盤です。工具の切り替えが容易なため、大量生産時に用いられます。
  • 複合加工旋盤
    高機能なNC旋盤で、ターニングセンタともいいます。1台で旋盤加工とフライス加工がおこなえます。